プリモ・パラテュームに関する各評論家のコメント

ティエリー・ドゥソーヴ氏(『ルヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス』総編集長)のコメント

プリモ・パラテュームは、カオール出身の若い創始者、グザヴィエ・コペルの意志から生まれた新しいスタイルのネゴシアンである。
新しいスタイルというのには、様々な理由があるが、まず、最初に、コペルの仕事は1つの地方だけにとどまっておらず、
ボルドーからラングドック=ルシヨンまで、もちろん南西地方を経由して、幾つもの地方にまたがっているということである。

さらに、このグラン・シュッド(偉大な南仏)の精神の持ち主は、そこだけにも固執していない。
なぜなら、彼は、ポート・ワインも造り、そのうえ、スペインの葡萄畑にも関心を持っているからだ。

第二の特徴は、その仕事のやり方である。
ワインは、栽培から醸造に至るまで、すべてがコペルの監督の下に、各アペラションにそれぞれ1人のみいるパートナーの
造り手によって手掛けられる。
コペルは、ブルゴーニュの樽職人カデュスに特注したバリック(小樽)の新樽に立脚し、赤も白も著しく濃厚で、豊満で、
強烈な芳香を持つワインを造っている。
新しい様式とも定義できるこのワインのスタイルは、極度に熟した果物の香りと新樽の香り、劇的で芳醇なアタック、口中での
圧倒的な濃縮感などによって、アペラションのスタイルを、歪曲することなく、輝かしく一新するほど際立っている。

実際、グザヴィエ・コペルは、自身に満ちた表情の中に疑問を隠しながらも、彼が、カオール、ジュランソン、グラーヴ、
ミネルヴォワやその他のアペラションで行っているように、葡萄の成熟度と濃縮度の追及そして豪奢な熟成によって、
テロワールの品格を高揚させることに成功すれば、さらに大きく進歩できることを良く理解している。

仏ワイン評論家 ミシェル・ベタン氏のコメント

うわべだけの固いものから、メルローのように柔らかいものまで、カオールの黒い大海の中で、真のカオールは稀にしか
生まれない。
しかし、時としてカオールが、この若いネゴシアン、グザヴィエ・コペルが実現したように、その潜在性の衝撃的な深みに
達した時、我々は、あまりにも過小評価されているカオールのテロワールの真髄を認識させられる。

カオール出身で、ボルドーに住みついたグザヴィエ・コペルは生まれ故郷カオールのワインを愛して止まなかった。
こうして、彼は1人の造り手の下で、すべての仕事を監督しながら、驚異的に濃厚で品格ある2種類のキュヴェを選別し、
その品質に値するほど丹念に選ばれたオークの新樽で熟成させたのだ。
黒いローブを持ったカオール・キュヴェ・クラシカは、成熟のピークで収穫された偉大なマルベック種固有の非常に熟した
果実味を持っており、野心的でフレッシュな余韻の長さも失われていない。

キュヴェ・ミトロジアは、繊細で巨大、超濃厚で桁外れ。
しかし、完熟した魅力的な葡萄の個性が備わっている。フィニッシュは、精妙で驚くほどフローラル。
桁外れなポテンシャルを持った常軌を逸脱したワインだ。
この二つのワインは、葡萄畑とは何かを再認識させてくれるワインである。

ボルドーの著名なワイン商、クリストファー・カンナン氏のコメント

プリモ・パラテュームのワインは非常に濃縮されていますが、重い印象はありません。
濃密で、凝縮された複雑さを持ち、驚くほどリッチです。
同時にテロワールと葡萄品種が大変尊重されています。
コペルは貴重な葡萄と最新のワイン醸造技術で、各アペラションの潜在的な特徴を引き出すことに成功しています。
プリモ・パラテュームのワインは最高の品質のワインですが、同じように大切なのは、それが本物だということです。
すべてのワインは各アペラションごとに固有の特徴を持っていますが、同時にある種の“メゾン=家系”とも呼べる特徴を
共有しています。
その中で最も重要なのが、低収量とヴィエイユ・ヴィーニュに由来する完璧な濃縮度でしょう。

コペルはそれぞれの地域で見出される素晴らしいローカル・ヴァラエティーを信じ、テロワールを強調するために
葡萄を凝縮させます。
濃厚な色調、香りの強さ、口蓋に感じる深み、強さと余韻の長さなどから低収量とヴィエイユ・ヴィーニュに由来する完璧な
濃縮度が明らかになります。

加えて、新樽の使用によりテロワール主導のワインの完全な複雑みは一層輝きを放っています。
彼のワインメーキングは、決して違いを隠すのではなく、その違いを屋根の上から大声で叫んでいるようなものです。
まるで、各地域のクラシックなワインを拡大鏡で(!)テイスティングしているかのようです。
ワインの拡張バージョンとでも言えましょう。
プリモ・パラテュームのワインを理解するには、テイスティングするしかありません。
高い価格は正当すぎる程です。
これらのワインが世界的に評価を受けるようになるのは時間の問題でしょう!

その他、過去のヴィンテージを含む評価記事

ワイン・ガイド『ル・クラスモン』2006年版より

グザヴィエ・コペルは南西地方からラングドックまでのワインを手掛ける偉大なオート・クチュールの小規模ネゴシアン。
醸造家としての才能と対になった、果汁とキュヴェの完璧なセレクションによって、彼は、新鮮で熟した果実味を持つ
凝縮した素晴らしい赤ワインを提供している。

加えて、熟成管理の重要な仕事によって、より多くのフィネスがワインに加わった。
ジュランソンは、マンゴーやエキゾチック・フルーツの典型的なノートを持つに至り、ソーテルヌは驚異的なバランスを
呈している。

2002ヴィンテージのカオールの2種類のキュヴェは、このヴィンテージとしては、極めて稀な濃縮とバランスのレベルにある。
2002年のマディランは、ボリューム感と素晴らしい品質を示している。
ボルドー・ミトロジア2002も同様に素晴らしいレベルにあり、ボルドーで最も有名なアペラションを思わせる。
複雑味と凝縮感が、傑出したバランスの中に融合したソーテルヌ2002も絶対に外せないワインだ。

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